海外スタディ・ツアー(2018年)

4人のリーダーズカフェメンバーと一緒に、スタディー・ツアーに行ってきました。

 

2018年旅行記(前編)はこちらから

(第5日目)8月11日(土)


5:30起床。シャワーを浴び、片付けをし、荷物をまとめる。最後に18階からの景色も目に焼き付ける。朝食を食べれる人だけで摂り、ジョグジャカルタと同様の”お約束”をし、部屋を出る。The Empireのエントランスからモールの方に歩き、タクシーを拾うべく待つ。

 

しかし、昨日の朝はすぐに捕まえれたタクシーが待てども待てども一向に来ない。昨日レシーバーかなんかでタクシーを呼んでくれたドアマンに聞いても、「今日は全然いない」とつれない。よく考えたら、今日は土曜日の朝。オフィス系は休みか…。モールのエントランスに入ってくる車が、昨日に比べて明らかに少ない。こんなことなら車を予約しておけばよかった…と思っても時すでに遅し。9時にアザール大学に行く約束をしているのに、8時半を過ぎてもタクシー1台来ない。いやいや5人だから2台必要なのに!。気持ちは焦るばかり。

 

万事休す…と思った時、目の前に黒塗りの高級ワンボックス車が入ってくる。おそらくモール内にあるジムに行くであろうご夫婦が軽装で降りてくる。どこ出身のご夫婦だろうか?、華僑の方っぽい?。思い切ってご主人に「待てどもタクシーが来ない。無理を承知で車(とドライバー)を貸して頂けないだろうか?」と、たどたどしい英語で聞く。普通なら人を降ろすとすぐ車は駐車場にすっ飛んで行ってしまうのだが、速攻でお願いしたので、ご主人はドライバーに「ちょっと待て」と合図をする。ちょっと脈あるかな。ご主人も「会社の車だからなあ…」と渋る。そりゃそうでしょう、私が逆の立場なら絶対OKできません(はっきり)。何かあったら(日本人の大好きな)責任問題だし。「そうですよね…難しいですよね、分かります」と言いつつ、「そこを何とか」という顔で沈黙してると、「そんなに遠くないのよね?」「うん、遠くない。アザール大学、15分くらいです」「じゃあいいよ」と。

 

そうと決まったら、一緒に途方に暮れていた4人を急かせ、荷物を積み、気が変わらないうちに車に乗り込む。「あっ、そうだ!」と、お土産として持っていた日本茶をご主人に渡すと、えらく喜んでくれた。「本当にありがとう!」とご主人と奥さまと握手をし、出発。朝からどっと疲れたが、本当に助かった!。いつかまた会えないかな。その節は…とお礼を言いたい。

 

しばらく車内で放心状態になっていると、すぐにアザール大学に到着。ドライバーにも「ありがとうね」とチップを少し渡し、結局15分遅れで到着。もう3度目なので、勝手知ったるところ。エントランスに、去年からfacebookなどでもやり取りしていて、日本語がかなりできるアンギくんが「ようこそ」と待ってくれている。「たくみさんもようこそ」と、名前を押さえている、さすが。


イスラーム系の私立大学、アル・アザール大学文学部日本語学科の生徒さんとの交流会がスタート!。

 

まず、Vera先生から挨拶頂く。過去2度はAnti(アンティ)先生がファシリテートしてくださったが、この日は出張で不在。ヴェラ先生とは全く面識なかったが、まあ日本語が素晴らしい。東日本大震災を仙台で経験されたことにまず驚き、アンティ先生もお茶の水女子大で勉強され、全くストレスなく日本語で会話ができたが、同レベルの日本語使いの先生が他にもいらっしゃるとは…。同大学の先生層の厚さにまずは脱帽。

交流の内容だが、過去2度はこちらから、あるお題についてパワポを使ってプレゼンテーションをし、質問もしてもらいながら日本への興味を深めてもらうとしていたが、今回はプレゼンはせず、写真のように終始円卓でディスカッションを進める。

 

前半は、今回のスタディー・ツアーのテーマである、「2つの世界遺産からインドネシアの宗教や寛容性を学ぶ」というお題に沿って、参加メンバーで時代分けを行った通りに話を進めていった。まずは、りょうちゃんから「古代からオランダ統治まで」。次に、のりりんから「オランダ統治時代(約250年)」について。さらには、當内くんから「独立前後」。最後に、純子さんから「現代、これから」。各自が調べたことを発表し、ネイティブの方たちの考えとあまりにズレがないか?を聞き、こちらからの疑問を質問したりもした。 


詳しくは、10月の近未来カレッジでの研究発表会に譲るが、腑に落ちたことをひとつだけ書くと、「イスラーム教とインドネシアは相性が良かった」ということだ。「なぜ数ある宗教の中から、9割近いインドネシア人にイスラーム教が選ばれたのか?」、あるいは「なぜ戦争などで壊されずに、2つの異なる巨大宗教遺跡が現存するのか?」という疑問がすっきりする。イスラームのやさし~い、ゆる~い布教が、年中夏で食べ物にも困らない、フランクなインドネシアの文化にフィットしたのだろう。「相性が良かった」というのは若干抽象的な表現だが、今のところこれ以上に説得力のある答えは存じない。


後半は、女性の社会進出や若者の仕事観など、フリーにディスカッションを行った。ここで印象的だったのが、「インドネシアでは(給料がそこそこな)仕事のほとんどが外国と絡む。なので、外国語を勉強する」ということだ。これは個人的には結構衝撃的で、日本には日本語だけで全然OKの仕事・職場がたくさんあるが、インドネシアにはないというのだ。なので、英語はできて当たり前。英語だけなら他との差別化ができないから、彼ら彼女らは第三外国語として日本語を勉強する。英語がプラスアルファになる日本と、できて当たり前のインドネシア。これは差がつくわ、と強く思う。


最後に、持ってきたお土産を渡し、連絡先の交換などをして終了。Vera先生の日本語力だけでなく、歴史や文化・宗教に対する知識、ユーモア溢れる語り口のおかげもあり、ディスカッションが11時半過ぎにまで及んでしまい、雑談の時間が少なくなってしまったのは反省。来年は、みんなで近くのカフェなどに行って、ゆっくり雑談できるといいなと思った。

これにて、無事に現地の大学生さんとの交流が終了。帰国後も、インスタグラムや共通のfacebookグループなどを使って、交友を維持している。来年は、参加メンバーでバティックでも着て行くか。當内くんみたいに(笑)。


交流会も無事に終わったところで、「ヘビーなプログラム終了お疲れさまランチ(長い!)」。ジャカルタに来てから、インターン、弦月会さん会食、現地大学生と交流会と、緊張の続いたプログラムを何とか乗り切ったみんなを労うべく、プラザスナヤンの「Crystal Jade Restaurant」で中華ランチ。今なら、高級中華料理店もたくさんあるだろうが、15年前の私の頭だとまず出てくるのが、ここ「クリスタルジェイドで飲茶とマンゴープリン」だ。あいにく、ここには飲茶がなかったので、代わりに北京ダックを。甘い味噌をつけて食べるともちろん美味しいが、「ダックの身の部分の黒コショウ炒め」、これがめちゃくちゃうまかった!。豆腐と海鮮のスープも胃に優しく、カイラン炒めも安定。チャーハン、焼きそばも、インドネシアのそれとは違うことを示し、最後にはマンゴープリンと亀ゼリーを。

 

インドネシア滞在もあと7時間ほど。ラストは少し、ジャカルタ観光を。


まずは、昨年に引き続き2度目の訪問「カリバタ英雄墓地」。ここは、1940年代後半に4年以上に及んだ英蘭との独立戦争で戦績が認められた約9800人が眠る国立の英雄墓地で、日本も安倍首相など要人が来イした際は必ず献花に立ち寄る場所だ。なぜ私たちも含めて日本人もここに足が向くかというと、独立戦争をインドネシア人と一緒に戦い亡くなった日本人約30人も眠っているからだ。今回は、警備のお兄ちゃんが一緒に歩いてガイドをしてくれ、日本人のお墓にも連れていってもらった。

 

ジャカルタ市内のまあまあど真ん中に、国民が自由にお参りでき、イスラームも仏教もキリスト教など埋葬者の信仰ごとに区分されており、一時は統治者だった日本人も埋葬されている、ある意味「寛容さの象徴」のような場所だ。私は、このような施設のあるインドネシアが羨ましい。今回のツアーのテーマ「寛容さ」を学ぶみんなと来れて良かった。やはりここは外せない。



カリバタ英雄墓地から北上し、「イスティクラル・モスク」に。ここも去年に引き続いての訪問だが、文学部地歴専攻のりょうちゃんの興味は、仏教やヒンドゥーよりもイスラームなので、東南アジア最大級のここはマストな場所。12万人を収容できる建物は相変わらず圧倒的で、外も入れると20万人が入れるとのこと。20万人というと私の住む兵庫県宝塚市の人口とほぼ一緒。何という規模感…。

 

當内くんが素晴らしいテクニックでパノラマ写真を撮ってくれたが、この通り巨大モスクから通りを挟んだ目の前に、カトリック系の立派な教会「カテドラル」がある。こちらは今回初。60mもある2つの塔は凄い存在感で、「ここは本当にイスラーム国家なの?」と思わせる。ちょうど17時からミサがあるということで、続々と信者さんが集まってきていて、私たちも教会の中でしばし座って休憩。

 

このカテドラルは、イスティクラル建設よりはるかに前の1901年、オランダ統治時代に建てられた。着工式は1961年でスカルノ初代大統領が宣誓し、スハルト政権の1978年に完成。わざわざカテドラルの前にモスクを建てた。「お前ら(国民)、分かってるだろうな。『(インドネシアの国是)多様性の中の統一』だぞ!」と。これって結構すごい力技だと思う。でも、インドネシア人なら「Tidak ada masarah(何の問題もない)」と言ってそうだが。


18時近くになり、陽が暮れてきた。バタビア広場などコタ地区を車で少しまわってもらい、高速に乗りスカルノハッタ国際空港へ。18:30頃、最近出来た超新しいターミナル3をぶらぶらっとし、例のSkytrainでターミナル2へ。チェックイン、出国をあっさりと済ませる。

 

機内食は朝食しか出ないので、それまで何も食べないのは辛いなあと、最後のダメ押しにまたまたローカルなインドネシア料理を。今回のメンバーは、ほんとインドネシア料理を気に入ってくれ、何だか嬉しい。写真はSoup Buntut(牛のテールスープ)です。「これ美味しい!」と言いながら、お腹も痛い純子さん。最後までよく頑張り(食べ)ました(笑)。

 

最後にお土産物などを速攻で買い搭乗、21:30離陸。

 

参加メンバーのレビューはこちらから。

(最終日)8月12日(日)

純子さんがトイレに行きやすいよう、もう記憶にないくらいに久しぶりに窓側の座席に座る。すると朝方、朝焼けが信じられないくらい綺麗で、一眼レフでバシバシ写真を撮った。私は体が大きいので、もうずっと通路側に座ってきたが、景色が見れるという特典が付き、窓側にもたれかかって寝れるし、7時間くらいならトイレに立たずにおれる。これからは窓側に座ろう!。最後の最後に新たな気づきを得て、ひとり興奮していた(笑)。

 

約7時間のフライトの後、羽田空港に7:00着。入国手続きも税関もターミナル移動もスムーズで、手荷物も預けていないし。搭乗口で1時間以上待つ。

待合時間を利用し、ジャカルタの空港で購入した、アジア大会の記念カップを参加メンバーにプレゼント。「2018年」と記載もあり、何かの思い出にしてくれればうれしい。

9時に羽田空港を経ち、10時に伊丹空港着。ゲート出ると、これまたお約束の岡本さん登場。「友好学生連盟」何とかかんとか、無事?に帰国することができた。4泊6日(前泊組は+もう1泊)の全旅程が終了し、解散した。

最後に・・・

インドネシアに8/12に帰国してから、この旅行記を書きあげるのに10日間もかかりました。今回の海外スタディ・ツアーも盛りだくさんの内容で、写真を選ぶだけでも大変でした。

 

今回で3度目の海外スタディ・ツアーになりました。

 

振り返ってみて思うのは「今回は『初めて』のことが多かったなあ」ということです。

 

例えば、

  • 初の「ジョグジャカルタ・ジャカルタの2か所滞在」「飛行機での国内移動」
  • 初めて「社会人(浅原純子さん)の参加」
  • 初めて「1回生(水口椋太さん)の参加」
  • 初めて「2年連続2回目の参加(當内拓海さん)」
  • 初めて「海外インターン」のお世話になる
  • 初めて「アザール大学でプレゼンせず、ディスカッションで通した」
  • 初めて「タクシーに乗せる」

抜けてることもあるかもしれませんが、思いつくだけでもこれくらいはあります。

 

帰国後、参加メンバーのみんなに今回のツアーのレビューを書いてもらいました。このサイトなどにアップしない「裏レビュー」もあります(笑)。なぜ書いてもらっているかというと「来年のツアーをさらに充実させたいから」です。

 

結果的には、1回目よりも去年、そして去年より今年のツアーは、よりグレードアップしたと自信を持って言えます。

 

もちろん、インターンを受け入れてくださったエキサイト・インドネシア様、会食をセッティングいただいた関学OB会”弦月会”の皆様、休みの土曜日に交流の時間を作ってくださったアザール大学文学部日本語学科の皆様などにご協力いただいたことが大きな要因のひとつです。

 

もうひとつは「初めてのことが多かった」ことも、グレードアップの要因のひとつです。

 

特に、海外インターンの効果は絶大でした。参加メンバーの話を聞いてもそうですし、朝送り出す時と夕方戻ってきた時のメンバーの顔つきが全然違うのを見ると、充実度が一瞬で分かりました。「できれば就活前の学生が参加できたらよかったのに…」とも思いましたが、海外インターンを「就活のためにやる」というちっちゃい話ではなく、「これから社会人としての生き方を考える機会」レベルの話であり、自分の器の小ささを反省しました(苦笑)。

 

初めてのことをやるのに、戸惑いやリスクはつきものです。まあ、上記のような「初めてのこと」はリスクいうほどのことは少ないですが、中には失敗や改善点も含まれています。タクシーに過信し、「ヒッチハイク」に頼ったことは失敗例のひとつです。でもそれらを必要以上に恐れず、チャレンジしていくことを私自身もやっていきながら、学生たちにも伝えていきたいと思っています。

 

一方、変えずに守るべき、維持していく大事さも間違いなくあります。継続してこそ分かることもあります。この海外スタディ・ツアーの開催自体がまさにそれです。全くの手作りのツアーですが、3回もやるとかなりノウハウや人脈が蓄積され、「来年やりたいことリスト」は実は既に溜まっています。

 

「初めてのことにチャレンジする」のと「じっくり継続すること」のバランスを見極めるのは運営者の腕次第なので、そこは情報収集も重ねながら、自分の感覚を研ぎ澄ませていきます。

 

来年は今年よりもさらに充実したツアーにします。「今回を上回るのは相当難しいかも…」と去年思っていましたが、前向きな参加メンバーのおかげもあり、充実したいいツアーにすることができました。

 

来年もまた「初めてのこと」を繰り出してきますので、どうぞお楽しみに!。

 

2018年の海外スタディ・ツアー旅行記にお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

 

2018年8月22日 皐月秀起